「葬送のフリーレン」、エルフという種族?

種族といっても人種(race)のことではなく、エルフが生物として何者かという疑問です。

生物としての分類

フリーレンやゼーリエが語っていることから分かるのは、エルフは人間とは異なる存在だがエルフも人間も「人類」に属するということ。 このことからエルフは人間と同じ「ヒト属」に属する異種となるので、「ヒト属」の絶滅種であるネアンデルタール人(学名:Homo neanderthalensis)と同じような生物であると考えられます。

人間ホモ・サピエンスHomo sapiens
エルフ:ホモ・エルフェンシス、Homo elfensis(仮)

ここで同属異種かもしれないヒト属の3種、エルフ、ネアンデルタール人、人間を比較してみます。 改めてネアンデルタール人の復元図を見てみると目の上の眼窩上隆起が発達し、額は後方に向かって傾斜していて、いかにも原始人という容貌です。

ネアンデルタール人復元図
ネアンデルタール人(原始魔法使い?)

それに対してエルフのフリーレンは眉のあたりの盛り上がりがなく、額が垂直に持ち上がるなど、現生人類に近いというか耳を除けばほぼ人間に見える容貌をしています。

フリーレン
©山田鐘人・アベツカサ/小学館

頭蓋骨の形状で分類するならエルフは同属異種というより人間の亜種としたほうが良さそうです。

人間ホモ・サピエンス・サピエンス Homo sapiens sapiens)(基亜種)
エルフホモ・サピエンス・エルフェンシス Homo sapiens elfensis (ホモ・サピエンスの亜種)

多くの生物で亜種間の交配が可能ですので、亜種が同一地域に生息していると交雑が発生し純血種の個体数が減少し絶滅に至る可能性があります。 フリーレンの世界ではエルフと人間は別の村に住んで棲み分けができているので交雑リスクは低そうですが、生活圏が重なっているので土地や交易をめぐって圧迫される恐れはあります。

ヒンメルがフリーレンと結婚しなかった理由

エルフと人間の生物学的相違を考慮してヒンメルがフリーレンと結婚しなかった理由を考えてみました。

  • 魔王を倒した勇者ヒンメルと大魔法使いフリーレンが結婚すると、それに触発されて人間とエルフのカップルが増えて結果的にエルフの絶滅を速めてしまう可能性があります。ヒンメルはSDGs生物多様性に配慮する意識高い人間のように思われるので自らの行動を律していたのかもしれません。
  • 二人の子供はハーフエルフとなるので周りからいじめられる可能性があります。多くのファンタジー作品でハーフエルフが差別されていますが、この作品世界は例外となるのかどうか。ハーフエルフの寿命はエルフ程ではないが人間より遥かに長いためヒンメルがいつまでも守ってやることが出来ないのも悩ましいです。
  • フリーレンは見た目が幼く少女にしか見えません。何かと注目される勇者としては躊躇してしまうのかもしれません。青少年保護育成条例がある都市に行けば逮捕・処刑されるかもしれません。隠れて暮らすというのも勇者らしくはないですし。
  • フリーレンは1000年以上生きていますが見た目だけでなく体も未熟で生殖能力が発達していない可能性があります。成長を待って成人になってから結婚しようと考えていたら自分が老人になってしまったのかもしれません。

オレオールでヒンメル自身から真相が語られることを期待しています。

フリーレン